こんにちは、高機能自閉症の
子どもを育てているぴょんたろうです。
子どもが延々と水遊びをしている。
ご飯でも、お出かけでもなかなかやめられずに
次のことが進まずに困る。
今回は、このような悩みに答えます。
自閉症の水遊びをやめさせたい!【認知特性から考える】
なぜ水遊びがやめられないの?【まず一般論ではどうなる?】
自閉症の子どもは水遊びが好きな場合が多いのではないでしょうか。
筆者の息子もそうです。
自閉症の子どもが、感覚刺激に没頭しているのはよしとしても、「ご飯だよ」「お出かけだよ」「お風呂だよ」と言っているのにやめれらないと予定が進みません。
親はやめてもらうのに一苦労です。
それでは、ため息も出てしまいますね。
まず一般論で「なぜ水遊びが好きか?」
考えてみましょう。
✔わがままで聞き分けがない子だ
✔こだわりが強いんだ
✔家庭のしつけが悪いのでは?
これは一般的な考え方です。
しかし、自閉症の支援をするときは、このようなとらえかたはしません。
自閉症の子どもが水遊びをやめられない理由を【特性】から考えてみましょう
じゃあ、どう考えたらいいの?
自閉症の子どもが水遊びをやめられない理由を考えるときは、「自閉症の特性」からかんがえます。
【参考】認知の特性をまとめた記事は下記をどうぞ。👇
簡単に項目をあげておきます。👇
✔関係づけの特性
✔般化の特性
✔記憶の特性
✔感覚の特性
✔運動機能の特性
✔受容コミュニケーションの特性
✔表出コミュニケーションの特性
✔社会性の特性
✔注意力の特性
✔整理統合の特性(時間・空間)
上記のなかから、自閉症の子どもの問題行動の原因となっていそうな項目を探していきましょう。
自閉症の特性から考えるときは「紙に書いてみる」のがおすすめ
氷山シートで情報を整理する
自閉症の特性をすべて覚えていて、頭の中で何通りも仮説を考えられるような人は氷山シートはいらないと思います。
ですが、そんな人は私を含めていませんよね?
いえ、います。
失礼しました。
そう、私の頭の中に専門家のK先生が勝手に浮かんだように
あなたが専門家でないとすれば
多くの親は頭の中で自閉症の多くの特性を覚えてあてはめて、仮説を立てることはきわめて難しいと思われます。
ですから、いざぎよく面倒くさくても紙に書いて考えてみましょう。
THE・素人なのでいさぎよく書いてみる
おめめどうさんの「おにぎりシート」に書くとこのようになります。
前回の記事は氷山シートに書くまでだけの記事でした。
氷山モデルに書いたら、水面下に隠れている特性から支援を考えていきます。
④注目(注意力)の特性❓
⑤終わりの概念の理解のこんなんさ❓
⑥言語処理情報の苦手さ(受容コミュニケーションの特性)❓
このように特性の仮説❓をたてられます。
特性が理由になっている場合、1つではなく複合していることも多いです。
自閉症の水遊びをやめるには?【支援法】を考えよう!
感覚刺激「もっと強力な感覚刺激で注意をひく」か「その刺激を遮断する」
水遊びの感覚的な刺激を楽しんでいる場合、その刺激よりも強く惹かれるものを用意すればその刺激から引き離すことができます。
あるいは、反対でその水遊びの感覚刺激を遮断することでも可能です。
✅水の流れる音を楽しむ (音の刺激)
✅水の手触り (触覚の刺激)
上の刺激よりも大きな刺激を与えて、誘導してみよう。
筆者のオススメは(視覚でしたら)サンキャッチャーです。
キラキラの光のシャワーが揺らめくので、自分がうっとりするのに買ったのです。
息子も、光の加減には敏感で今でも部屋にさしこむ陽の光に注意をむけて教えてくれることがあります。
音の感覚でしたら、タイマーなどで音に没頭している刺激を分散させるといいと思います。
お子さんによって好みの感覚刺激は異なると思いますので、試してみてよく反応するものを発見してみてください。
水遊びじたいの刺激に惹かれてしまわないように、「遮断」するのもいい方法です。
ご飯やお出かけの前に、布で一時的に見えないように
防水シートでもかければ「見えない=ない」と思ってくれるかも。
我慢するには「見えないところへ」というのは、定型でも基本ですよね。
見えてしまうから美女だって、見てしまうのです。
注意力(注目)の特性の支援
注意力の特性が理由になって水遊びがやめられない場合はどうしたらいいのでしょうか。
自閉症の注意力の特性では、「一度注目してしまったことをずっとやり続けてしまう」ということがあります。
つまり、「切り替えの困難さ」という形になってあらわれます。
これが感覚刺激とセットになっていると集中してしまいますね。
その場合は、注目をしやすいように支援する必要があります。
✔子どもが水から注意が離れた一瞬をよくみて
そのタイミングで指示を出しましょう
✔聴覚からの指示の通りが悪そうだと
思ったら、視覚からの提示によって注目させてください
水遊びに没頭しているときは言葉の指示はあまり入らない場合もあります。
手間ですが、絵カードなどを作って「次のタスク」を提示するなどしてみましょう。
水遊びの終わりがわからない特性の支援
終わりがいつなのか?わからないということが自閉症では特性としてあるようです。
その場合は以下のようにします。
✔終わりという意味の絵カードなどを提示
言語処理の苦手さの支援
水遊びが終わりだということと、次にはじまる課題を提示するのは一緒のことがあると思います。
水遊びをやめて「ご飯を食べて欲しい」「お風呂に入ってほしい」などの場合
ご飯だよ、お風呂だよ
という言葉の意味が「食事を食べること」や「お風呂場に移動する」と理解していない場合もあり得ます。
その場合は「(食卓の)椅子に座ろう」「お風呂場に移動しよう」と声掛けをするなど、場所への移動の指示を具体的にするといいかもしれません。
さらに、いつも使っているカードがあれば絵や文字で提示すると効果的だと思います。
行動と絵カードの意味の関連のための、指示だしのタイミングには注意してください。
支援すると【必ず従うわけではない】~それでも自閉症の子ども水遊びをやめないときはある~
水遊びのあとの予定が子どもにとって嫌なものならばやめにくい
当たり前なのですが、いくら支援をしても「次にすること」が子どもにとって嫌なことであった場合は、支援の効果があらわれない場合もあります。
誰だって、「好きなこと」はやりたいし、「嫌いなこと」はやりたくありません。
そのことと、支援が効果のあるなしは別にして考えましょう。
支援したけど、ぜんぜん水遊びやめないじゃん!!
支援したって意味ない!!
…とならずに、冷静に分析したいものです。
なぜ水遊びがやめられたのか?効果を分析しておこう
筆者もできてないので、書くのですが療育の先生がとても大事なことを教えてくださいました。
なぜうまくいったのか?
それが大切です。
こんなようなことをおっしゃっていました。
失敗したときに分析するのも大事ですが、成功したときの帰属もとても自閉症の療育ではもっと大事になってきます。
なぜうまくいったのか?支援者(親)が
わかっていないと
次から再現できないからだよ。
このパターンを親も実践しながら覚えていくことで、自閉症の支援の幅が広がっていくと思います。
まとめ
水遊びを延々としてしまって、声をかけても次の課題に移ってくれない時の支援方法のまとめです。
✔水遊びよりも強い感覚刺激で注目させる
✔水遊びに注意がむかないように隠す
✔注目してもらうときのタイミングもよくみる
✔言語での指示が入りにくいときは絵カードなど視覚提示も検討する
✔どの支援が効果があったのか?必ず効果の確認をする
最後まで読んでくださりありがとうございます。
書きながら思ったんですけど、「水遊びおしまいだよ~」で終わる定型の子どもと違って、自閉症の親のやることが多すぎます。
手間と精神力と労力や時間もかかりますね・・・・。
理解までいっても、さらに実際に「できるかどうか?」は別の話なのです。
皆さまの参考になれば幸いです。
(^o^)/
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